相手の34の詰めが甘くなってる事に遠距離からわかった。どんどん34のブレーキランプの点灯時間が長くなっていっていた事に気付いた。
(ここらへんで少し仕掛けないと…)
エンジン音の響きが夜の峠にこだまする。ここでGDBが仕掛けた。
(温存したのを使い切る！！)
幾つものコーナーを抜けていくと、そこには疲弊しきった34がいた。さっきのような強さはどこかへ消えさり、もはや別のドライバーと思わせるぐらい遅くなっていた。香里は御構い無しにスタスタと抜き去ろうとする…最後の抵抗と言わんばかりに34はブラックボックスのエンジンを最大までパワーを出したが、迫り来るコーナーの前では、減速をせざるを得ず、白いライトと共に闇の彼方へ消えた…
