Fairy's Studio制作ブログ

精霊とSimutransアドオン置き場

I doing drive with fairy.run21 開かれた過去、閉じた未来。

リーダーは、知ってる事を淡々と話した。
「へなちょこな俺と違って、マイカは、殆ど負けなかった。でもある日、彼女の連勝記録が止まったんだ。」
リーダーの話を聞く限りマイカはそれなりの実力者みたいだった。勿論こう聞き返す。
「ショックで立ち直れないの?」と…リーダーは、はいそうですとは言わず、別の解答を用意していたみたいだ。
「ショックなんだけど…ある種のトラウマでもあるんだ。負けた相手が相手でね…マイカが大恥をかく羽目になって、以後練習の時に絡んできた車を蹴散らす事しかしなくなったんだ。次第にマイカの名声は消え、いつしか誰も挑戦しなくなった。義理とはいえ、兄だった俺は全力で説得したけど、ダメだった。香里の前では全くそぶりを見せないけど、本当は隠してるんだ。自分の弱みを…それに、香里にも同じ目にあって欲しくないから、これを話したんだ。香里がただ、マイカに挑戦する人ならはいそうですで終わらせるな。」
「そう…だったんだ…」
私は、そんなマイカさんを信じる事ができなかった。他に色々引っかかるところはあるはずだが、頭が回らなくて、どうでもよくなってた。今の私には、マイカを元に戻す事だけが、頭にあった。
「マイカはどこにいるんですか?」
リーダーは、勘づいていたのか、潔く答えた。
「おそらく、S207の中だろうな。俺も付いてく。」
話していた場所のそばに置いておいた互いの車に二人は乗り込み、エンジンをかけると、二台は闇に消えた。