Fairy's Studio制作ブログ

精霊とSimutransアドオン置き場

I doing drive with fairy.run24 指切りげんまん

イカの目が、勝負モードに変わった。やる気満々と言わんばかりの目だ。私は、公平にやりたかったので、あるルールを提案する。
「20年前、関東の走り屋を潰していき、誰にも超える事のできない記録を作り続けた伝説をしってますか?」
「何それ?」
「本当は表舞台に出る事のない都市伝説です。ある峠ゲームが、この20年前の伝説を元に作成されたっていう。その勝負ルールが特殊だったんです。」
「としでんせつ?どんなルールだったの?」
「先行か後攻かを決めて、先に追い抜いた方の勝ち。抜けなかったら立ち位置を入れ替えて折り返す。どっちかが、抜かれるか、おいてかれるか、降りるか…上りの人と下りの人が唯一マトモにやりあえる異種格闘技戦の為だけにあるルールです。」
私だけが知ってる事だったので、つい見栄を張ってしまった。
「ふーん…わたしが香里の先輩である以上、どんなルールでもやるよ。先行後攻も香里が決めて良いよ。でも、勝負では手を抜かないから。次の休日で良いでしょ?」
「はい。」
「外部には、絶対漏らさないでね。兄貴もこれは約束よ。」
三人で指切りげんまんが交わされると、互いの方角に帰っていった。思えば、今まで指切りげんまんをした事すらなかった気もする。

「おいおい、S207とやらせる気かよ。しかもサドンデスで。」
やれやれ口調で、あいつが久々に顔を出した。